田川線 油須原駅の駅舎を復元改装しました。

田川線 油須原駅には、平成筑豊鉄道では数少ない木造駅舎が現存し、長らく赤村の玄関口として地元の皆様に愛されております。近年では、古いローカル線の雰囲気が残る駅として、各種ロケにも使われたほか、訪問されるお客様も増えております。

この駅舎を、これからも大切に使い続けることができるように、このたび西日本工業大学、赤村の協力による産学官連携事業として、復元改装を行いました。

外観については、旧国鉄時代の資料もすでに散逸しており、完全な復元ではありませんが、「懐かしい」開業当時の雰囲気をイメージして、木質の建具やレトロ調の灯具に交換しております。一方、内部には制震装置を備えるなど、「最新の機能」を追加し、今後の地域交流拠点として観光など鉄道および地域活性化につなげます。

デザイン監修は、これまで田川線の東犀川三四郎駅、美夜古泉駅の待合室のリニューアルを手がけた西日本工業大学デザイン学部 石垣 充 教授によるものです。

 

1.復元改装の概要

(1)外観・内装の復元改装

傷んでいた下見板張りや漆喰壁を補修し、塞がれていた扉・窓を復元するとともに、駅舎正面のシャッター開口部を塞ぎました。アルミサッシだった窓は桟の入った木製のものに、アルミ製の引き戸も木製の建具に交換しました。また照明もレトロ調のものに交換し、夜間はムードのある空間を演出します。

復元改装前の様子はこちら

 

(2)鉄道作業体験室の整備

旧国鉄時代の事務室をイメージし、タブレット閉そく取扱いなど、かつての駅員の仕事が体験できるスペースとしました。また、昔の鉄道資料を展示しています。(イベント時のみ公開、次回は3月21日(月・祝)を予定)

 

(3)協働研究室の新設

旧ギャラリーを、赤村をはじめとした地域の方々と西日本工業大学との活動拠点として、壁面にはオイルダンパを用いた制震装置(江戸川木材工業株式会社「ビルアンド」)を設置、駅の復元設計や施工を行う際の作業室として、また赤村の豊かな自然環境を活かした再生エネルギー(小水力発電など)の研究に取り組む予定です。

 

(4)ギャラリーの新設

駅舎に入って左側は、赤村や平成筑豊鉄道のイベント情報やポスターなどを展示する新たなギャラリーとして整備しました。協働活動の成果や地域情報、写真展などの展示を行う公開空間としても利用します。

 

(5)鳥居型駅名標の設置

旧国鉄時代の木製の鳥居型駅名標を復刻し、ホームに設置しました。

 

(6)概要図

 

2.へいちくカフェ・へいちくマルシェin油須原駅

2月14日(月)に特別運行する「ことこと列車」に合わせて、へいちくカフェ・へいちくマルシェを開催します。

・日時:2月14日(月) 12:30~15:30

※特別運行の「ことこと列車」が13:03~13:13および14:31~15:00に当駅に発着するところがご覧になれます。(車内には立ち入れませんのでご了承ください。) 

・場所:油須原駅横駐車場

(1)へいちくカフェ

大学生企画による、無人駅の交流拠点機能活性化の取組です。先着150名様に無料でお飲み物とお菓子をお配りします。

(2)へいちくマルシェ

ひしや染物店(直方市)、よってこ四季犀館(みやこ町)の出店のほか、平成筑豊鉄道のグッズ販売を行います。

※ご来場の際は「マスクの着用」「手指消毒」へのご協力をお願いします。また、発熱のある方、体調不良の方のご来場はご遠慮ください。

3.今後の計画

今回は復元改装を見送りました出札口(きっぷうりば)を復元し、今後、乗車券発売体験などに活用する予定です。