「へいちく浪漫号」だった501号車は、2024(令和6)年3月20日に 「黒銀」として生まれ変わりました。 平成筑豊鉄道で自転車ラックを搭載した初めての車両で、座席はロングシートと折り畳み座席が7席あり、定員は117人です。折り畳み座席は未使用時に自転車ラックとなり、5台の自転車を載せることができます。 デザインのコンセプトは、半世紀前までこの地域の発展の原動力だった”石炭”。「黒銀(KURO GI N)」はそんな石炭の中でも最も純度が高く表面がキラキラと輝く”無煙炭”をイメージしています。

  • 石炭はかつて”黒いダイヤ”とも言われていたことからロゴマークをはじめ”菱形”をあしらったデザインとエクステリア・インテリア共に黒色と銀色が主役の車両は沿線の新たな発展の原動力として、輝きながら人と地域をつなぎます。

  • メタリック塗装は天候や時間帯で表情が変わる
  • 車体は列車には珍しいブラックメタリック。 普通の塗装に比べて何倍もの手間が掛かっています。ロゴやライン、文字等のサインも、何十種類もあるシルバーメタリックの中から1色を選択。特徴的なデザインのラインは、職人さんが何度も真っ直ぐかを確認しながら数日かけて施工しました。

  • 自転車ラックは日本では珍しく縦に引っ掛けるタイプを採用
  • 袖仕切りをはじめステンレスヘアラインの仕上げが美しい

金属(ステンレス)の質感を前面に出した車内は元々ボックス席だったものをロングシートに一新。この車両一番の特徴である自転車ラ ックは5台分を搭載し、折り畳み座席も未使用時になるべくスリムになるよう新規設計しています。カーテン・モケットは「菱形」をテーマ にしたオリジナルデザイン。サイン類もほとんどを新たにデザインしています。

  • どこかかつてのSLをイメージさせる
  • 闇に溶け込んだ車両には不思議な雰囲気がある

【設計・改造】 九州艤装
【デザイン】 Design Direction (浦島 健多)
【写真撮影】 戸谷 健吾

【設計・改造】
(株)九州艤装のプロフィール

  • 2018年1月設立。社員8名の職人集団。鉄道車両、船舶、バスの内外装工事の設計、製作、施工、メンテナンスまで一貫して対応できるオンリーワン企業。お客様に感動を与えられるモノづくりをモットーに九州のみならず全国へ展開中。

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【デザイン】
Design Direction (浦島 健多)の

プロフィール

  • 1984年生まれ。静岡県出身。美術大学卒業後、2010年から約10年間、(株)ドーンデザイン研究所にて水戸岡鋭治氏に師事。在職中は鉄道車両、バス、船舶、ロープウェイ等の公共交通機関や駅舎、ホテル、レストラン、ショップ等の空間デザインやサイン計画、グッズ、ポスター、チラシ、パンフレット等のグラフィックまで、デザイン・ディレクション業務全般に関わる。2020年独立。

    Design Direction(デザイン ディレクション)
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